ホーム » 学術動向関連 » キーン大学(ニュージャージー州)が中国で初の試み-キャンパス開講

  

キーン大学(ニュージャージー州)が中国で初の試み-キャンパス開講

キーン大学(ニュージャージー州)は、今月、アメリカの大学で初めて中国に全学的なキャンパスを開講することで中国関係者らと協定を結んだ。

これまで海外の大学が中国で展開してきた取組は、ブランチオフィスや修士号のプログラムに限定されていた。今回のキーン大学の試みは、自身のキャンパスで完全なカリキュラムを提供し、学士号及び修士号を授与するものである。

キーン大学中国キャンパス

所在地 中国東南地方沿岸の都市、温州。
学生数 2007年秋に新入生受け入れ、キャンパスが完成する2009年頃には3,500人から4,000人の学生を収容予定
施設 アメリカのキャンパスと同様の施設を提供、インターネットを通じてキーン大学の図書システムにアクセス可能。
授業 キーン大学の教員が英語で行う。
パートナーシップ キーン大学と温州大学が提携。温州大学は、キーン大学が中国で行う認可手続きを支援、キーン大学に対し一時的に施設を提供、また学生のリクルートと経営の面で援助。
経費 キャンパスの建設と運営にかかる費用6,250万ドルを中国政府が負担。
これまでにも、多数の海外の大学が中国にプログラムを設け、中国の高等教育に資本投下し続けている。世界銀行(World Bank)の一機関である国際金融公社(International Financial Corporation)によると、現在、中国で実施されている海外のプログラムは700以上あり、そのうち150がアメリカによるものであるという。

中国でプログラムを展開する海外の大学の中には、進出に際して必要とされる中国側パートナーとの間の諍いや、政府の過大な監督といった問題に直面している大学もある。それにも関わらず、英国のリバプール大学は、9月に中国キャンパスをオープンする予定であるし、ニューヨーク州立大学(アルバニー市)は、アメリカ、カナダ、中国の複数の大学と連携して10,000人の学生を収容する大学を3~5年後に設立する予定であり、海外の大学は、中国で大きな事業を展開し続けている。

参考:THE CHRONICLE of Higher Education(2006年5月19日付)

キーン大学Press Release
「Kean University to Open the First American University in China」
http://www.kean.edu/pressreleases/2006/05_05_06_UniversityChina.html